この記事では、安全衛生委員会の概要と重要性をわかりやすくまとめました。
こんな人に読んでほしい記事です。
- これから安全衛生委員会を立ち上げたい
- 安全衛生委員会の重要性を上司・部下にきちんと説明したい
- 自社の安全衛生委員会が正しく行われているのか、あるべき姿と比較したい
- 正直、安全衛生委員会に参加する意味がわからない
まずは、安全衛生委員会の前に、安全委員会と衛生委員会それぞれの概要から理解していきましょう。
安全・衛生委員会を設置しなければならない事業場の基準
はじめに、どのような事業場が安全・衛生委員会を設置しなければならないのでしょう?
安全委員会と衛生委員会それぞれに、業種と労働者数の規模の基準があります。
ちなみに、常時使用する労働者の数が50人未満の事業場の事業者は、安全または衛生に関する事項について、労働者の意見を聴くための機会を設けなければならないとされています。
朝礼や会議などの場を活用して必ず行いましょう。
「うち、規模小さいからやんなくていいの〜」じゃないよって話だね。
安全・衛生委員会を構成するメンバーと選出方法
安全・衛生委員会は議長と委員からなる体制で運営され、メンバー選出が必要です。
安全・衛生委員会の構成メンバー
委員会は議長と委員で構成されます。
必須ではありませんが、委員会が円滑に運営するためには、事務局を設置すると良いでしょう。
衛生管理者の役割についてはこちらで詳しく解説しています。→衛生管理者とは?わかりやすく解説!/対象事業場・役割・選任について
安全・衛生委員会メンバーの選出方法
メンバーの選出方法にもルールがあります。
議長は事業者が指名する(上の表の条件を満たす者を選出)
議長以外の委員については事業者が委員を指定するが、その半数は、当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合の推薦を受けた者が指名されなければならない。
労働組合がない場合は、議長以外の委員の半数は、労働者の過半数を代表する者の推薦を受けた者が指名されなければならない
※議長及び委員の指名について、当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合との間における労働協約に別段の定めがあるときは、その定めによることができる。
委員の選出は事業者の指定だけでなく、労働者側からも推薦が必要。これは見落としがち・・・!
安全・衛生委員会で取り扱う内容
では、具体的にどのような内容を取り扱うのでしょうか?
主要な事項を抜粋しました。
これらの他にも労働安全衛生規則第21条及び第22条を参照すると、取り扱うと良いとされている事項がたくさんあります。
ただし、毎回の委員会でこれら全ての事項を網羅すべきというわけではありません。
「今回はこれを中心に議論しよう」、「今の時期はこれについて情報共有する必要があるな」と、事業場の状況に応じてテーマを決定します。
上の表だけでも取り扱うべき内容は色々あります。
委員会で取り扱うネタに困り出したら、マンネリ化している証拠です。
マンネリ化している委員会ってほんとつまんないよね。
注意すべき安全・衛生委員会の運営ルール
安全・衛生委員会を運営する上で、必ず守らなくてはならないルールがあります。
毎月実施する委員会の日程や内容を毎月調整するのは運営側の負担が大きくなります。
調整がつかず、今月できなかった!というわけにはいきません。
年間で実施計画を立て、日にちは議長並びに委員のスケジュールに押さえておくとスムーズです。
あらかじめ会社カレンダーに組み込んでおくのもいいね。
前項でも触れた、「マンネリ化」を防ぐためにも、毎年同じスケジュール、同じ内容を回すだけではなく、開催ごとに振り返って改善を加えることが重要です。
適宜アンケートを取ったりしながら、参加者の意見も取り入れていくといいですね。
安全・衛生委員会と安全衛生委員会
ここまでのお話で、「あれ?」と思った方はいませんか?
安全衛生委員会じゃなくて、安全・衛生委員会?
安全委員会と衛生委員会は、元々は別の委員会です。
安全・衛生委員会という表記よりも安全衛生委員会という表記の方がメジャーなのは、この2つの委員会の運営に関して下記のように許可されているからです。
安全委員会と衛生委員会両方の設置が必要な事業場においては、別々に設置するのに代えて、両方の機能を果たす「安全衛生委員会」を設置することができる
安全委員会が必要な事業場は、もれなく衛生委員会も必要ですから、一つにまとめたいですよね。
安全委員会も衛生委員会も対策の打ち方とか教育方法とか、リンクする考え方が多いんだよね。一緒に聞いた方が意識高まるかも。
安全衛生委員会の重要性
最後に絶対忘れてはならない重要性について説明します。
なぜ安全衛生委員会が必要か、あなたは部下や後輩に聞かれたら説明できますか?
安全衛生委員会は、シンプルに、下記の労働安全衛生法の目的を果たすためにあります。
この目的を果たすためには法整備だけでは不十分です。法律の趣旨を十分に関係者に説明し、その理解と協力を得るための場が必要です。
その場として機能するのが安全衛生委員会なのですね。
「これ、ルールだから守ってね」だけではなかなか人は守らないよね。
理解させたり、確実に守ってもらうためには、継続的に周知が必要・・・!
まとめ
安全衛生委員会の概要とその重要性についてまとめしましたが、いかがでしたか?
経験された人はよくわかると思うのですが、安全衛生委員会を運営するのは結構大変です。
参加するだけでも時間が割かれますよね。
だからこそ、その重要性についてきちんと理解していないと、形だけの委員会を繰り返すことになりがちです。
労働安全衛生法の内容は、適切にそして確実に実践されなくてはなりません。
そのための情報共有や理念浸透の場として安全衛生委員会は重要なのです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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